タレントみのもんた(69)が26日、都内で会見し、次男が窃盗容疑などで逮捕されたことや、TBS系報道番組「みのもんたの朝ズバッ!」を降板したことについて説明した。

 冒頭のあいさつ全文は以下の通り。

 まず、私のことで、大変世間をお騒がせして、大変申し訳ございません。

 (深々と頭を下げる)

 私の次男が、窃盗未遂ということで、警察の取り調べを受けて、いろいろな分野の方から取材を申し込まれましたが、ことがことだけに、最終的な結論が出てからお話をしたほうがいいのではないかという私個人の思いがあり、あらゆる取材にお断りをいれて参りました。

 その間、約2カ月。ことが刑事事件ということで、番組への報道番組への出演を自粛という形をとらせていただいておりました。私の気持ちの中で、なんでこんなことが起きたのか、なかなか整理がつきませんでした。30過ぎた、家庭を持った、仕事を持った社会人となったわが子を、なんで…という気持ちが大変、強かった。しかし2週間、3週間、4週間たっていくうちに、私の気持ちの中に、少しずつではありますが、思いの変化がありました。

 自宅に引きこもるような状態の中で、いろいろ考えて、時間の許すままに、書斎の整理をしてみたり、本棚の整理をしてみたり、無為な時間を過ごす日々でございました。そんな中で、なんであのバカ息子が…という気持ちや、一体俺はどうしたらいいんだという思いが生じて参りました。捜査に一定の結末が出るまでという、そういう思いで参りました。女房と一緒に懸命に育ててきて、社会に送り出したはずなのに、何かが狂ってしまった。どこかがおかしかった。そんな思いが強くなりました。

 確かに、あの子は私の子です。しかし、成人して大人になって社会人になったはずなのに、家庭を持ったはずなのに、こんなことをしでかす。私たちの中で、何かが間違っていたのかな…、不完全な形で世の中に送り出してしまったのか…。だとしたら父親としての責任があるなと、思い至りました。親子の縁は切れない。間違いなく、わが子。どこかが狂って、社会に送り出した。その責任は、父親である私にあります。申し訳ありません。

 (深々と頭を下げる)

 彼は、職を失い、社会的に厳しい、苦しい日々を送っていることだと思います。多くのものを彼は失いました。苦しんでいると思います。親としての責任を感じた時、私はどうやって、その責任をとるべきなのかと必死に考えました。ことが一段落するまで、あらゆる一切の取材に答えず、沈黙を守る。そのうち、なぜ黙っているんだ、なぜ答えないんだと、いろんな声が届くようになりました。私も苦しみました。本人が多くのものを失い、苦しんでいる。私にとってはあこがれだった、しゃべる世界。報道に関する番組を司会進行し、時には言いたいことを言い、時には切るべきところを切り。時にはダメ、時にはよし、自分なりの流儀で進めて参りました。一番、私にとって苦しいことは、しゃべるという世界、報道の番組から降りるということ。私にとって一番苦しい判断でした。私も、自分にとって一番つらい道を選ぼうと思いました。TBSさんには大変ご迷惑をおかけしました、しかし私は降板を申し入れました。「秘密のケンミンSHOW」にも申し入れましたが、「バラエティーだからというわけではない。あなたのしゃべり、あなたの進行、続けていただきたい」と言っていただきました。私のふるさとである、文化放送の「みのもんたのウィークエンドをつかまえろ」でも、ナショナルスポンサーが2社、辞退をしてきた。でも、「みのさん、しゃべるという世界の中で生きざまを見せてくれ」と言われ、今日も生放送をして参りました。

 放送の中で、今日、記者会見で思いのたけを述べると正直に申し上げました。親として、道義的な責任を感じています。答えは、自分にとって一番苦しい道を選んでみようと思いました。これから、おおいに、マスコミの世界でも、この問題を議論していただきたいと思います。

 私はやはり、しゃべるという世界を、これからも命がけで追求していきたいと思います。一体、自分がどこまで立ち直れるのか、どこまで強い男なのか、挑戦してみたいと思います。これから、新たな場を与えられるのか、分かりません。与えられないかもしれない。もし、場を与えられたら、私は、さらに自分を磨いてみたい。さらに自分を突き詰めてみたい。そう思いました。

 もう少し、おわびをしなければいけないことがあります。たくさんの方が、取材に来てくれました。ことが一件落着したら、お話しようと思っていました。雨の中、風の中、私に、懸命に声をかけてくださった。無視することもありました。それを、おわびします。今の正直な私の気持ちです。以上です。

 (目を閉じて立ちつくす)