秋葉原のオタク系アイドルが「日本の顔」になった。6人組アイドルグループ、でんぱ組.inc(以下=でんぱ組)が11日、横浜市庁舎で行われた「東アジア文化都市

 2014

 横浜」の任命式に出席し、広報親善大使に就任した。

 午後2時。任命式を終えたでんぱ組は、定例会見場に緊張した面持ちで登場した。白のセーラー服のメンバーが姿を見せると、報道陣や市職員ら約100人が「オーッ」と歓声をあげた。衣装はこの日のために港町・横浜をイメージして作ったという。

 リーダーの相沢梨紗は横浜市の林文子市長の隣で「日本を代表するお仕事なのでとても光栄ですが、それ以上に今、緊張しています。アジアのファンの方に音楽を通じて楽しい気持ちを伝えたいです」とあいさつ。林市長も「若いパワーで、アジアに幸せをまき散らしてほしい」とエールを送った。

 写真撮影の前には、林市長からまさかの“おもてなし”を受けた。でんぱ組の2枚目のアルバムがこの日発売のため、林市長が急きょ、アルバムも入れて写真撮影をすることを提案。

 報道陣のカメラフラッシュを浴びながら、相沢は「こんなおめでたい日に(広報親善大使に)任命されてうれしいです」と満面の笑みをみせた。それを見た林市長はすかさず「(アルバム)よろしくお願いします」と一緒にアピールした。

 でんぱ組は中国と韓国の渡航歴はないが、すでに広報親善大使としてのビジョンはある。

 アニメ好きの成瀬瑛美は「日本のアニメは中国を舞台にした作品が多いので聖地巡礼をして、中国の文化を学びたい」。

 友人とKARAら韓流歌手のライブ映像を見るのが好きという藤崎綾音は「K-POP歌手と同じステージで共演したみたい」と熱望した。

 東アジア文化都市は来年1月から日本、中国、韓国の3都市で始まる文化交流事業。11年の日中韓文化大臣フォーラムで日本が提案し、今年9月に開催都市が横浜市、中国・泉州市(福建省)、韓国・光州広域市に決定した。

 3都市は来年12月まで文化芸術行事を連携して開催し、相互理解を図る。横浜市では来年8月に開催予定の現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ2014」を中心に、音楽イベントなど行う。

 市によると、広報親善大使として、でんぱ組は来年2月25日のオープニング式典内の音楽イベントに出演したり、国際親善の「顔」としてアジア各国でライブを行うなど、1年間精力的に広報活動を行うという。

 でんぱ組は今年5月に「横浜開港記念みなと祭

 ヨコハマ

 カワイイパーク」、同9月には「ゆるキャラグルメフェスティバル

 in

 YOKOHAMA」など横浜市のイベントに多数出演。さらに今年はフランスで行われた世界最大規模の日本文化博覧会「ジャパンエキスポ」に日本代表として参加し、シンガポールなど海外7カ国でライブを行った。

 横浜市は世界最大級の規模を誇る横浜中華街や、福富町や関内には韓国料理店が軒を連ねる国際色豊かな都市として有名だ。

 でんぱ組は08年の結成当時から「日本の文化を世界に届ける」をテーマに国際的に活動し、その活動が国際都市の横浜にふさわしいという理由で、広報親善大使に決まった。

 本日午後6時40分からはクイーンズスクエア横浜でアルバム発売記念イベントを開催する。でんぱ組にとって、この日は「YOKOHAMA」一色の記念すべき日になった。