79年のアニメ「機動戦士ガンダム」などで知られる富野由悠季監督(72)が21日、都内で会見を開き、所属するプロデューサー集団■(オオカゼノオコルサマ)が、「アバター」「アイアンマン」など、多くの米ハリウッド映画の、特殊造形を担当するレガシー・エフェェクツ社と業務提携することを明らかにした。ハリウッドの大手スタジオであるレガシー・エフェェクツ社と日本のクリエーターが共同製作することで、日本のクリエーターが世界市場に進出する機会を作り、世界市場から得た利益を日本のクリエーターに還元する、新しいビジネスモデルを作ることが目的だという。

 富野監督は、昨年11月にレガシー・エフェェクツ社を訪問していると明かし、その時の映像を披露。「僕のアニメへのリスペクトが深かったのが全ての始まり。僕自身、今までのキャリアでいけば、テレビアニメ発で作品にした過去の作品をリメークする可能性を考える。どういうものが出来るか想像はつくと思う。でも、過去の作品の何を映画にするのかは眼目ではない。日本の映像作品を世界に発信する拠点を日本と米に作りたい」と語った。また「数年先の東京のアニメ制作現場は厳しい。疲れきり始めていると感じる。映画の資金を集めきれず、自暴自棄の時もあった10年だった。新しい現場を手に入れたい」と、現在のアニメ界の状況に危機感を訴えた。