ゴーストライターによる楽曲の代作が問題となった佐村河内守氏(50)の著書「交響曲第一番」を出版した講談社は20日、「うそを見抜くことができず、読者に心よりおわびする」とのコメントを発表した。同日までに佐村河内氏と面談し、事実関係を確認したという。

 佐村河内氏は面談で「(著書の)音楽修業・音楽修学に関することはすべてうそ」と説明。「それ以外の、本に書かれたことは事実です」と主張した。「本に関してゴーストライターはいません」とも述べたという。

 「交響曲第一番」は2007年刊行。聴力を失った中で作曲を続けたとのエピソードに加え、4歳から母の指導でピアノを猛練習し、専門書を買い求めて独学で学んだことなどが記されていた。

 講談社は問題発覚後の2月5日、同書を絶版・回収としており、当時の編集担当者らからも事情を聴いた上で、経緯の把握を進めていた。同社広報室は「今後このようなことがないよう十分留意する」としている。

 幻冬舎から昨年刊行された同書文庫版も、絶版となっている。