朝ドラ史上初の外国人ヒロイン、シャーロット・ケイト・フォックス(28)が注目されるNHKの次期連続テレビ小説「マッサン」(9月29日スタート、月~土曜午前8時)の主要キャストが16日、大阪市内で発表された。ベテラン女優の泉ピン子(66)が、ヒロインを追い込むしゅうとめ役に決まり、ピン子は早速「鬼しゅうとめ宣言」し、ヒロインに「宣戦布告」した。

 ピン子にとって大阪放送局制作の朝ドラは、92年「おんなは度胸」以来22年ぶり。ところが会見場に登場し、あいさつのマイクを握るやいなや、シャーロットに向かってこう告げた。「あなたにつらく当たらないと、この番組は当たらない。ごめんね。アイム・ソーリー。(つらく)当たるけど、本(台本)だから」。

 ドラマは、明治から大正の時代、ウイスキー作りに情熱をかけた日本人男性の亀山政春と、スコットランド出身の妻エリーによる夫婦の人情劇。シャーロットの夫は玉山鉄二(34)が演じ、欧州での酒屋修業を経て、現地人の妻を連れて帰国する設定だ。

 「明治の女って、青い目の外国人を(嫁として)受け入れるとは(難しい)ね」と、ピン子は役柄の気持ちを代弁。夫役の玉山に「あなたがフォローすればいい」と言い、フォロー役に指名した。

 とはいえ、あくまでも役柄での“鬼”宣言で、シャーロット本人には「すごくかわいい人だなと思いました」。2月に来日し、まったく話せない日本語を猛勉強しているヒロインに「不安だとは思うけれど、その不安がいい表情になると思う。そのままいけばいい」と話し掛け、明治期に異国にやって来て不安な外国人妻との接点を強調した。

 ただし、不安といえばピン子本人にもあるようで「私、橋田(寿賀子)先生以外の作品は久しぶりで楽な気持ちで来たら、やっぱりセリフがいっぱい。1ページ分ぐらい、全部1人でしゃべってる」。当面は「私自身がいっぱいいっぱいよ。どういうこと?

 だから(シャーロットの)面倒は無理」と笑わせた。

 当のシャーロットは、用意していたという日本語のあいさつを緊張のあまり忘れ、涙ぐむ場面もあった。英語で「泣かないと思ってきたけれど、皆さん(共演者)にお会いできてうれしい。皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。最善を尽くしたい」と話した。

 玉山をウイスキー修業に送り出した大阪の恩人役として、西川きよし(67)が朝ドラ初レギュラー。きよしは「お笑い一筋で来て、どうしていいか…。僕はとにかく『小さいことからコツコツと』やります」とキャッチフレーズを交えて抱負を語った。

 また、玉山演じる政春の妹役で、元ももいろクローバー(現ももいろクローバーZ)早見あかり(19)も出演。「私自身、駆け出しでドキドキしていて、シャーロットの気持ちが一番よく分かると思います。私も精いっぱい頑張ります」と話した。