3度の脳梗塞から復帰した上方落語の大御所林家染丸(64)が23日、大阪・池田市民文化会館で、江戸時代から伝わる落語の余芸「絵ばなし」を披露した。

 「絵ばなし」は、小ばなし的な話のネタを絵で表現したり、絵を描きながら落語のサゲへ持っていくなど、古くからあった落語の芸のひとつ。染丸は以前から上方芸能の研究に余念がなく興味を持っていた。脳梗塞から復帰後、新趣向の高座を披露しようと、繁昌亭などでも「絵ばなし」を披露。高座では「私、脳梗塞3べんやりまして。10回やったらなんか、もらえまっかいうて、医者に聞いた」などと笑わせた。

 染丸は12年11月、紫綬褒章受章会見を予定していた日に、舌がもつれるなどの症状を訴え、軽度の脳梗塞と診断された。入院加療生活を送り、13年1月2月、大阪・天満天神繁昌亭で高座復帰し、「寝床」を熱演した。

 ただ、その後も再発を繰り返し、昨年夏、3度目の脳梗塞から復帰。弟子の林家染弥が林家菊丸襲名を発表した会見に同席した。その襲名披露が今年9月、大阪・なんばグランド花月で行われることから、染丸は「私も高座に上がれるようリハビリに努めていきたい」と言い、繁昌亭や各所の落語会に出演し、慎重に体調を整えている。

 この日は、26~27日の春団治一門会まで続く「いけだ落語うぃーく」への出演だった。