有名人と遭遇したときにサインを求めたことのある人は少なくないだろう。しかし、そのような時代は終わりに近づいているのかもしれない。

 先日元クリケット選手のシェーン・ウォーンによって投稿された次のツイートが、英ガーディアン紙やタイムズ紙に取り上げられて話題となった。「今朝ランニングやウォーキングしていたときにファンたちと5枚セルフィー(自撮り写真)を撮った。それで、サインは終わったという結論に達したんだ」。この発言について、スポーツ関連の記念品の専門家であるマイケル・フェイヒィ氏は「ガーディアン」紙に「セルフィーは、有名人やスポーツ選手と会ったことの完ぺきな記録になります」とコメントしており、シェーンは本質をついていると指摘する。

 歌手のアヴリル・ラヴィーンは、今年ブラジルで開催されたライブのバックステージでアヴリルと一緒に写真を撮れるオプションを400ドル(約4万円)で売りだした。10年前であればサインがオプションになっていたが、セルフィーがこれに置き換わっているのである。

 しかし、サインのほうが好都合な点もある。まずは、有名人が写真よりサインのほうを好む場合もあるだろう。次に、市場もサインを好むとマイケル氏は指摘する。「サインの取引はファンと業者の間でたやすく行われます。その一方で、セルフィーはその写真に映る人物にとってのみ高い価値を持つため、取引は難しくなります」。

 完全にサインがセルフィーに取って代わる時代は来ないかもしれないが、有名人と遭遇したときにセルフィーを求める人は増えていくだろう。【ハリウッドニュース編集部】