NHK定例会長会見が15日、都内の同局で行われ、籾井勝人会長(71)は、期末報酬約140万円を辞退した件で「私の個人の思いと判断。事実を受け止めてほしい」とし、「理由は述べたくない」とかたくなに明かさなかった。

 1月の就任会見で政治的中立性を疑われる発言が問題視された。籾井会長は理由は想像してほしいとした上で「私が返上しないと言っている時は返せと言われ、返上したら、なぜだと言われるのはフェアじゃない」。さらに「籾井よくやったと書いてくれれば十分じゃないですか」と語った。

 またこの日、一部週刊誌に、番組プロデューサーが安倍晋三首相の資金管理団体に献金していたと報じられた件で、吉国浩二専務理事は「個人の行為でコメントしない」としたが、「一般的に寄付を全面的に禁止していない。個人の思想信条は尊重されなければならない。ただ、公共放送の職員としての規範に基づいて行動してもらう。そういう風にしてくれていると思っている」と語った。

 また「寄付や献金を全面的に禁止していることではない。ケース・バイ・ケース。(放送の公平公正に)問題があるとは思っていない」と話した。

 さらに、写真週刊誌に今月3日放送の「クローズアップ現代」に出演した菅義偉官房長官に対し、国谷裕子キャスターが集団的自衛権について鋭く質問したことについて、秘書官からクレームが入り、籾井会長が菅氏に謝罪したと報じられた。この報道について籾井会長は「そういうことはまったくない」と全面的に否定した。