ブルガリア東部バルナの国際バレエコンクール50周年記念の特別ゲストとして、1974年に金賞(1位)を受賞した森下洋子(65)が29日、40年ぶりにバルナの舞台に立ち、夫の清水哲太郎さん(66)の振り付けで「鳥の歌」を踊り、大きな拍手を受けた。

 「鳥の歌」はスペインの世界的チェリストの故パブロ・カザルスが生まれ故郷のカタルーニャ地方の民謡を編曲、平和への祈りを込めて演奏したことで有名。

 森下は広島市生まれの被爆2世で、広島の原爆投下から8月6日で69年を迎えるのを前に「世界の人が平和に仲良く手を取り合って生きていこうとの願いを込めて踊った」と話した。

 森下は「40年ぶりにバルナの舞台に立てたことを幸せに思う」と笑顔。「(バルナは)最初に世界に出るチャンスをもらった転換点。皆さんに、踊りを見て幸せになってもらうようがんばりたい」と語った。

 今も現役を続ける森下には、会場を埋め尽くした観客から「素晴らしい」などとの声が上がった。