東京地検は15日、海外での診療費用の一部が還付される制度を利用して東京都世田谷区から療養費などをだまし取ったとして、詐欺容疑で逮捕されたタレントのローラの父親(54=バングラデシュ国籍)を処分保留にした。釈放後も任意で捜査を続ける。

 地検は「現時点では、起訴するに足る証拠がない」としている。

 父親は、知人のバングラデシュ人の男性(詐欺罪で服役中)が2008年12月~09年1月、同国内の病院で治療を受けたとする虚偽の診療内容明細書などを世田谷区役所に提出し、海外療養費と高額療養費の計約87万5000円を詐取したとして、警視庁に逮捕されていた。

 警視庁によると、父親は逮捕時に「そんな事実はありませんし、私は100パーセント関係ない」と容疑を否認していた。