漫談家綾小路きみまろ(63)が17日、都内で新曲発表会見を行った。

 この日発売の「きみまろのあれから40年」で歌手デビュー。歌詞にも初挑戦して、ライブでおなじみの「あれから40年」のフレーズをあちこちにちりばめ、中高年の現実と本音を描いた漫談ストーリーの毒舌ポップスに仕上げた。歌手デビューのきっかけは「よどんだ世の中だけど、中高年に元気を与えたい」と思ったことだという。

 歌手デビューには「生業にしている方に申し訳ない」「歌手というよりはカス」と謙遜しながらも、目標は「1万枚売れること」と高めに設定した。

 作詞家デビューには「いつもの漫談の言葉を利用しました。作詞というよりは即詞。すぐにできた」と自信満々。一方のダンスは盆踊り以来といい、「茶ダンスか整理ダンスかというぐらいのレベルです」と自信のなさを告白した。年齢のこともあり、確かに腕の上下動が中心のダンス。この日も2回の歌唱後は「はぁはぁ」と息切れしていた。

 高めの尿酸値は特保飲料で管理し、持病の痛風は薬で抑えている。満身創痍(そうい)の体だが、「この曲で中高年の皆さんに元気を届けたい。生きているうちに」と歌手デビューに踏み切った。03年のブレーク以降は、毎年100本以上のライブをこなして15万人以上をコンスタントに動員。これまでにCD6枚とDVD4枚で520万枚以上を売り上げてきた実績は大きい。

 中高年のアイドルの地位を不動のものにしている遅咲きのきみまろが、満を持して新境地に挑戦した。