宝塚歌劇団花組トップ娘役の蘭乃はなが22日、兵庫・宝塚大劇場で「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」千秋楽を迎え、サヨナラショーを行い、本拠地に別れを告げた。

 蘭乃は、退団作でタイトルロールを演じ「本日、私は青春のすべてをかけた宝塚大劇場を卒業します」。ゆったりと劇場内を見渡し、晴れやかな表情を浮かべ、あいさつした。

 06年入団の蘭乃は、10年5月にトップ娘役に就き真飛聖、蘭寿とむの相手役を歴任。新トップ明日海りおの本拠地お披露目だった今作で退団を発表していた。

 蘭乃を送り出す明日海は「すがすがしいオーラに包まれていて、本当に頼もしかった」と感謝。一方で、退団公演で大役を演じた蘭乃に「体力面でも、精神面でも相当なプレッシャーがあったと思います」と気づかい「毎日『(劇中歌の)私だけに』は絶唱のようで、天下一品でした」と笑わせた。

 この日の千秋楽公演は、明日海のあいさつで、いったん幕を閉じたものの、客席の拍手がやまず、2度のカーテンコールにこたえた。再び登場した蘭乃は、明日海の「絶唱」と表現したジョークにこたえ「東京公演も、よりよい絶唱ができますように、全力で努めたいと思います」と誓っていた。

 東京宝塚劇場公演は10月11日~11月16日。蘭乃は11月16日付で退団し、次期トップ娘役には、同組の花乃まりあに決まっている。