東映Vシネマ25周年記念映画「25

 NIJYU-GO」が1日、公開され、主演の哀川翔(53)が大阪市の梅田ブルク7で舞台あいさつに登壇。Vシネマへの熱い思いを語った。

 劇場公開する映画=本編ではなく、バイオレンスあり、エロスありと、骨っぽい作品を数多く生み、1つのジャンルを確立したビデオ映画。“生き字引”とも“帝王”とも言える哀川は最も多忙を極めた年について「1997年だね。主演で10本、助演で12本。1年で320日、現場にいたから」と笑顔で振り返った。

 Vシネを背負ってきた自負は強い。「本編と撮り方は一緒。ただ、映画館でなくビデオ屋さんで借りて見るって違いだけ」。実際、本編で当たり前の試写会も、時には2000人規模の会場で行い、全国を回ったという。

 今回の「25

 NIJYU-GO」は「Vシネってどうしたの?

 って言われたくないから、お祭りやろうよ」という思いで出来上がった。小沢仁志、和義兄弟のほか、菅田俊、本宮泰風、袴田吉彦、岩佐真悠子らVシネの常連がオールスター規模で出演。内容は25億円を巡り、悪徳刑事、やくざ、チャイニーズマフィア、半グレ集団が入り乱れての争奪戦は、強烈な銃撃、肉弾アクションの連続だ。それもCGではなく、生身、アナログのもの。「(悪徳刑事役の)僕が(マフィアのボス役の)竹中直人さんの後ろのドラム缶を撃ち抜くシーンがあるんだけど、爆風が僕のとこまで襲ってきた」と笑う。

 「Vシネって土壌があって、今の自分がある。すごい監督さんとかも出てきた。Vシネの人口は2000万人と思う。その中で色々なジャンルの違う作品で勝負する。そういうとこが何となく東映っぽくて、いいでしょ?」。自分が生きてきた“場所”の力強さを訴えていた。