料理界の“ヨン様”が本場の韓国家庭料理を披露した。人気韓国料理研究家のキム・ヨンジョンさん(40)が2日、横浜中華街のアートカフェ「東アジア文化都市2014横浜カフェ~ヨコハマサイドステージ~」で「エバラCJ×ヨンジョンの韓国料理教室」を開催した。

 ヨンジョンさんはこの日のために考案したキムパプ(のり巻き)やキムチスープなど計3品を50分で手際良く調理した。エバラCJのキムチを用いて「ヨンジョン式メニュー」を次々と披露。調理以外の作業も細かく説明するヨンジョントークに参加者20人は真剣に耳を傾け、ヨンジョンさんも喜んだ。「初めての屋外教室でしたが、参加者の方との距離が近くて最高の時間でした。日韓関係は複雑ですが、料理を通して、少しは韓国を身近な存在に感じてもらえるとうれしいです」。

 韓国・京畿道富川市生まれ。大学卒業後、大手化粧品会社に就職。結婚後、11年より東京・葛飾区で「自宅に帰ってもすぐに出来る韓国家庭料理」をテーマに、韓国料理教室をスタートさせた。教室は、自宅で週3日程度行い、2カ月前から「満席」となる。公式ブログは料理研究家としては異例の1日6000PVを誇り、情報番組にも多数出演するなど幅広く活躍している。この日の料理教室も参加者20人限定でインターネット募集したが、30秒で満席となった。ファンの間では“ヨン様”と呼ばれている。

 参加者の40代女性は「ヨン様の教え方には温かみがあります。料理以外のプライベートの話も真剣に聞いてくれて、私のヨン様はペ・ヨンジュンではなく、ヨンジョン先生です」と熱弁した。

 ヨンジョンさんは小2と小5の男児を持つ母でもある。今後については家族が第一優先とするが、「人生一度きりなので挑戦したい」と語る。料理教室のほかに、地方の企業や店舗とのコラボメニュー開発などを行っていきたいという。さらに大きな夢もある。「料理を通じて親善大使になりたいんです。おいしい料理を食べれば自然と人間は笑顔になるので、私の料理で日本と韓国の方が少しでも笑顔になってくれたらうれしいです」。

 東アジア文化都市は今年1月から今月17日まで横浜市、中国・泉州市、韓国・光州広域市で行われる文化交流事業。ヨコハマサイドステージは8月に同事業の一環で「食とアート」を通じて、日中韓の相互理解を図ることを目的に開業した。これまでも各国をテーマにした文化交流イベントが多数行われている。