上方落語協会の桂文枝会長(71)が25日、大阪市北区の同協会事務所で「第9回繁昌亭大賞」を発表した。

 会見後には、自らを携帯電話で撮影する特殊棒を装着した機器で、受賞者と“自撮り記念撮影”を行った。

 「こないだ、道頓堀で若者がこんなん(特殊機器を装着した携帯電話)で、自分を撮っとったんや。ええなあ、思うて、探してきた」。流行に敏感で、年を重ねても若々しい文枝らしく、自慢の機器で見事に受賞者4人と合わせて5人での自分撮りを成功させた。

 この日は、上方落語協会が江戸の真打ち昇進制度に倣って創設した「第9回繁昌亭大賞」の発表。大賞は林家染丸一門の林家花丸(49)、奨励賞に桂米朝一門の桂吉坊(33)が選ばれ、創作賞が桂文鹿(ぶんろく=45)、輝き賞は桂小鯛(30)と露の紫(40)。うち紫を除く4人が会見に出席し、文枝はその4人と記念撮影した。

 文枝といえば創作落語の第一人者で、70代に入っても創作意欲は衰えを知らない。創作ネタ300本の完成を目標に掲げ、現在も毎月1本のネタ下ろしを続ける。その源は若者に負けない旺盛な好奇心だけに、文枝らしさが存分に発揮された。吉坊ら30代の落語家でさえ、文枝が持ち出した機器に「なんですか?

 それ」と興味津々だった。

 今回の受賞者は来年1月14日に天満天神繁昌亭での受賞記念落語会に出演し、表彰式も行われる。また、大賞の花丸、奨励賞の吉坊は来年2月以降、天満天神繁昌亭昼席のトリを務めることができるようになる。