昨年1月に亡くなった、やしきたかじんさんの長女が、作家百田尚樹氏(58)のたかじんさんの闘病生活を描いたノンフィクション作品「殉愛」の出版差し止めを、出版元の幻冬舎に求めた裁判の第1回口頭弁論が21日、東京地裁で行われた。

 「殉愛」には、父と長女の確執などが描かれており、原告側は、真実とかけ離れた内容として、プライバシーの侵害、名誉毀損(きそん)、敬愛追慕の念の侵害に当たると訴訟を起こしていた。

 この日は原告側の代理人弁護士のみが出廷。被告人側は欠席で、1月9日に提出した答弁書で、認否を留保。裁判の争点が定まらなかった。裁判長は原告側にどの部分が問題になるか明確にするよう求めた。

 閉廷後、原告側の的場徹弁護士(61)が取材に応じ、長女の陳述書の内容を説明した。陳述書には「父は私を大事に思っていました。(殉愛で)ショックだったのは、父がどれだけ私のことを嫌っていたか強調した内容。心の底をえぐられるようでした」などと書かれているという。

 第2回口頭弁論は2月20日に行われる。