大阪松竹座で2カ月連続で襲名興行中の4代目中村鴈治郎(55)が27日、大阪市内の高津宮に1月公演の成功を感謝して、絵馬を奉納した。2カ月目の「二月大歌舞伎」は同1日に開幕(25日まで)。鴈治郎は「1月は例年も公演をしていますが、2月は普段はしていない。2月が正念場。気持ちを入れ替えていきたい」と気を引き締めた。

 父の坂田藤十郎(83)がいったん“引退”したお初役にアンコールで臨む「曽根崎心中」では、初の徳兵衛を演じる。「おかげさまで父も元気ですから。あんたの襲名ちゃうで、と言うてます」と笑わせた。

 上方歌舞伎の大看板を復活させ、ご当地の大阪2カ月連続から全国を回る襲名興行をスタートさせた。

 「大阪を、関西を、魅力ある街にしたい」との思いも強く、折しも、今年は阪神が球団創設80年、オリックスは震災20年の節目でともにV奪回を目指しており、近くキャンプインを迎える。

 鴈治郎も「関西文化が盛り上がるのはいいこと」とエールを送ったものの、実は「中日ファンなんで…(応援の)コメントはしようがない」と苦笑していた。