フランス南部で開催中の第65回カンヌ国際映画祭のクラシック部門で18日、このほどデジタル修復された木下恵介監督の「楢山節考」が初披露された。上映に先立ちドイツの映画史家ウルリッヒ・グレゴール氏が木下監督について紹介、「偉大な日本の監督だ」とたたえた。

 同部門は過去の名作などを上映。邦画では小津安二郎監督らの作品が選出されたことがある。今年は「アラビアのロレンス」なども上映される。

 「楢山節考」は姥捨(うばすて)山伝説を基にした深沢七郎氏の小説が原作で、これまでに2度映画化。木下監督の作品は田中絹代さんらが出演し、1958年、ベネチア国際映画祭に出品された。今村昌平監督による「楢山節考」は、83年のカンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した。

 デジタル修復は松竹などによる木下監督の生誕100年を記念したプロジェクトの一環。