カナダで開かれていた第37回モントリオール世界映画祭で3日午前(現地時間2日夜)、授賞式が行われ、市川海老蔵主演、田中光敏監督の映画「利休にたずねよ」が、芸術性の高い作品に贈られる最優秀芸術貢献賞を受賞した。

 映画は直木賞を受賞した山本兼一さんの同名小説が原作。海老蔵演じる千利休の研ぎ澄まされた美意識と、若き日の悲恋を描く。利休が実際に使った茶器も登場する。

 利休の妻役を中谷美紀、豊臣秀吉を大森南朋が演じたほか、2月に亡くなった市川団十郎さんが利休の師匠役で、海老蔵と親子共演している。12月7日に全国公開される。

 同映画祭は北米最大規模。1989年に勅使河原宏監督の「利休」、90年に熊井啓監督の「式部物語」が最優秀芸術貢献賞を受けたほか、2006年に奥田瑛二監督の「長い散歩」、08年に滝田洋二郎監督の「おくりびと」が最高賞のグランプリを受賞するなど、日本映画が高く評価されている。