東宝が12日、都内の本社で14~15年のラインアップ発表会を開き、席上でスタジオジブリの新作「思い出のマーニー」(14年夏公開)を発表した。

 10年「借りぐらしのアリエッティ」を手がけた米林宏昌監督(40)の長編第2作。前作「借りぐらしのアリエッティ」は、9月に長編映画からの引退を発表した宮崎駿監督(72)が企画、脚本を担当したが、今回は同監督が丹羽圭子氏、安藤雅司氏と脚本も担当する。

 「思い出のマーニー」は、英作家ジョーン・ロビンソン原作の児童文学で、日本では岩波少年文庫から80年に初版が発行されている。養父母の元を離れ、海辺の老夫婦に預けられて心を閉ざした少女アンナが、不思議な少女マーニーと出会い、友達になり、心を開いていく物語。同作品は67年に発表されたが、舞台を現代の日本に置き換えて描くという。主人公アンナの名前は日本でも名前としてそのまま使えるので変えず、友人となるマーニーは外国人として描くという。スタジオジブリ王道のファンタジー映画になりそうだ。

 配給の東宝によると、企画は約3年前からスタートしたという。また、引退した宮崎監督と作品の関わりについて、関係者は「名前がクレジットに入らないんじゃないかな」と話した。