ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞に輝いた黒木華(23)は、映画のみならず舞台やドラマと幅広く活躍する新進女優だ。国内でもその演技は高く評価されており、昨年から映画賞の新人賞を次々に受賞している。

 黒木は大学時代に野田秀樹さんの舞台を踏み、女優の道へ。昨年は映画「シャニダールの花」で初主演したほか「舟を編む」にも出演。「草原の椅子」では心に傷を負った少年の母親代わりになろうとする情の深い女子大生を演じた。

 一方、NHK連続テレビ小説「純と愛」で演じたのは、性格が一変するヒロインの同僚役。ドラマ「リーガルハイ」のヒッピー風ファッションに身を包んだ弁護士役など、エキセントリックな役柄でも鮮烈な印象を残している。

 受賞対象作「小さいおうち」で演じたのは、昭和初期の中産階級の家庭に住み込むお手伝いさん。着物とかっぽう着という姿で、つつましく生きる昭和の女性を体現した。その姿は、山田洋次監督をして「彼女以上に、あの時代のかわいい女中さんを演じられる女優はいない。日本一ですよ」と言わしめた。