ハリウッド大作映画「GODZILLA」(25日公開、ギャレス・エドワーズ監督)の大阪プレミア試写会が14日、大阪市のフェスティバルホールで行われ、俳優渡辺謙(54)がオープニングセレモニーに出席した。

 科学者の芹沢博士役で出演した渡辺は、同ホールを象徴する大階段のレッドカーペットに登場。すでに世界61カ国で公開され、興行収入が500億円を突破したことを受け「この子(ゴジラ)は国境を越えました。日本の公開が最後、2時間びっちり、ハラハラドキドキしていただけることは間違いありません」。場所柄を踏まえ、関西弁のイントネーションで熱弁し、大きな拍手を浴びた。

 イベント後の会見では、出演に至った経緯を明かした。11年の震災以降、日本を中心に活動。「そろそろレンジを広げようか」と思った矢先にオファーがあったという。

 「ただ『それでゴジラか?』との思いはあった。海外でいうディザスター(災害)映画で、破壊があり、人々が逃げまどう姿がある。その点で逡巡はあった。でも、ギャレス・エドワーズ監督とお会いして、彼がいかに日本のオリジナルのゴジラに深い理解を持っているかがわかった。60年前、核への警鐘としてゴジラが誕生したこと、60年たっても、人類の核への恐怖は変わっていないこと。そこを語る彼に共感したし、日本人として出るべきだと思いました」。

 一方で、怪獣映画に熱中した世代としての思いもあり、映画の出来には絶対的な自信がありそうだ。

 「僕も映画のターゲットでしょう。同じフレームに(自分とゴジラが)入っているのを見て、純粋に客として楽しめた。エンターテインメントとして作り方がうまい。ゴジラ登場まで結構じらすんですが、ここぞで出てきた時の咆哮(ほうこう)は、まるで歌舞伎、プロレスといった興行のようなけれん味で…。鳥肌が立った。映像だけじゃない。サウンドも含めて様々な効果がうまくかみ合った、映画らしい映画です」。

 エドワーズ監督らスタッフが、ゴジラを「東宝の作品に近づけたい」との思いで、まずモーション・ピクチャーで人が動きを作り、その後CGを当てはめるなど「魂を入れる作業」(渡辺)があったことなど、撮影秘話も披露。また“元怪獣少年”の自分が「東宝さんには申し訳ないけど、実はゴジラより、どっちか言えば『ガメラ派』だった」と“自爆”しながら、最後まで熱烈にPRしていた。