映画「蜩ノ記」(10月4日公開、小泉堯史監督)の特別試写会が25日、都内で行われ、主演の役所広司(58)原田美枝子(55)小泉監督、原作者の葉室麟氏が出席した。

 事件を起こして3年後の切腹が決まっている元奉行を役所が、妻を原田がそれぞれ演じる。役所は「最後のときは、男もかっこよく生きたいですよね」と、去り際の美学へのあこがれを口にした。

 役所と原田は過去に何度も夫婦を演じたことがある。役所は「全面的に信頼しています。今回もリードしてもらった」とスクリーンの中だけの「妻」へ感謝を語った。原田は「役所さんに最初にお会いしてから、かなり時間がたっている。毎回、役は違っても新鮮。前もって話し合わなくても、『用意、スタート』でリハーサルをやってみると、『いいなあ』と思える間合いある」と、あうんの呼吸を強調した。

 公開に合わせ、「会いたい人に残したい言葉キャンペーン」を公式サイトなどで募集しており、応募総数2824通から選ばれた優秀賞、最優秀賞が発表された。「残したい言葉は」と問われた役所は「『また会いましょう。それまでちょっとだけさよなら』という感じですかね」と、粋なせりふで客席をうならせていた。