菅直人元首相(68)が3日、東京・映画館「ポレポレ東中野」で行われた映画「無知の知」(石田朝也監督)の公開記念トークイベントに出席した。

 同映画は福島第1原発を巡るドキュメンタリーで、事故当時、首相だった菅氏は、当時官房長官の枝野幸男氏、内閣府原子力安全委員会委員長だった班目春樹氏らとともに、石田監督の直撃インタビューに答える形で出演している。

 事故当時、現場で陣頭指揮した故・吉田昌郎福島第1原発所長の「吉田調書」で、菅氏は「あのおっさん」呼ばわりされ、政府事故調査・検証委員会は最終報告書で、当時の官邸の介入は「弊害の方が大きい」と断じている。菅氏はこの日、「吉田調書」について「吉田さんは『東日本が壊滅する』寸前だったと言っている。まさに紙一重だった。そこのところが注目されていないのでないか」と話した。

 トークイベントはニコニコ動画で生放送され、会場のスクリーンには「よく人前に出てこれたな」「責任取ってくれ」など、コメントが流れた。菅氏はそれにいら立つことなく、「一番重要なことがまだまだ隠されている。もっともっと事実関係を明らかにすべき」と答えた。