「吾亦紅」で昨年の紅白歌合戦に初出場した作曲家杉本真人氏(58)が4月23日に初のベストアルバムを発売する。杉本氏が楽曲提供した男女30人が歌う計32曲を2枚のCDに凝縮。作曲家として積み重ねた33年のキャリアを初めて集大成した思いを聞いた。

 「おれの作る作品にはいろんなバリエーションがある。演歌、歌謡曲、ポップス…。そのすべての基本はブルース。それを楽しんでほしい」。女性編は美空ひばりさんの「なつかしい場面」から始まる。2人には因縁がある。「ひばりさんに『みれん酒』という曲を作ったとき、歌うメロディーが少し違っていると思って『そこ違う』って言ったんだけど、それを見ていた周囲は真っ青。何しろ、ひばりさんだから。失礼だ!

 って、あそこでひばりさんが怒っていたら、今のオレはないね。以前に一緒に仕事をしたのを覚えていてくれて『あぁ、あのダミ声の子ね』って。それで事なきを得た」。ひばりさんに歌唱指導をした唯一の無謀な作曲家として、音楽業界で今も語り継がれているという。

 昨年末、杉本氏のことを「知らない人」と失言した和田アキ子の曲も入っている。「『待ちわびて』という曲。いい作品なんだけど、当時は全然売れなかった。昨年の行き違いはあったけど、作品がいいから入れました」。