日本音楽著作権協会(JASRAC、東京)が音楽の著作権管理で放送局と包括利用契約を結び、新規事業者の参入を妨害する形になっているとして、公正取引委員会は23日、独禁法違反(私的独占)の疑いで立ち入り検査した。音楽著作権管理事業は、JASRACなどの事業者が作曲家、作詞者などの著作権者に代わり曲の使用を許諾。使用者から徴収した使用料を著作権者に分配し、手数料を受け取る仕組みになっている。

 関係者によると、JASRACはテレビやラジオなどの放送局と、曲の使用頻度に関係なく放送事業収入の一定率を使用料として受け取る「包括的利用許諾契約」を締結。大量に曲を使う放送局の使用状況は把握しにくいことから、79年に制度が導入された。

 01年に音楽著作権管理事業への参入は登録制になったが、放送局側は圧倒的シェアを占めるJASRACの曲が使い放題。ほかの事業者が著作権を管理する曲を使う場合には追加支出が生じるほか、著作権者も曲が使われにくい事業者を敬遠する結果、参入は困難となり、私的独占の疑いが持たれている。

 著作権管理事業のうち音楽放送分野の市場規模は約260億円で、JASRACのシェアは約99%。音楽の著作権管理事業全体でも、JASRACの使用料徴収額が1000億円を超えるのに対し、01年以降に参入した事業者は数億円程度という。