スポーツアナウンサーの先駆けで、プロ野球の天覧試合などを実況した元NHKアナウンサーの志村正順(しむら・まさより)さんが昨年12月1日、老衰のため神奈川県藤沢市の病院で死去していたことが24日、分かった。94歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者のみで済ませた。

 36年にNHKに入局、絶妙な語り口と臨場感あふれるラジオ中継で知られた。

 43年、学徒出陣壮行会を放送。45年の戦後初のプロ野球中継をはじめ、野球や大相撲などのスポーツ実況で人気を集めた。59年の天覧試合、巨人-阪神戦では長嶋茂雄選手のサヨナラ本塁打を伝え、05年にはアナウンサーとして初めて野球殿堂入りした。

 大相撲も長く担当し、NHKによると、志村さんが会心の放送としてあげていたのが、55年夏場所千秋楽横綱栃錦と大関大内山の取り組みで、栃錦が巨漢大内山を左首投げで倒した一番だったという。