横山やすしさん(享年51)の妻で、タレント木村ひかり(27)の母、木村啓子(きむら・けいこ)さんが心筋梗塞(こうそく)で急死したことが24日、分かった。61歳だった。啓子さんは23日の夕方、大阪府内の自宅で胸の苦しさを訴え、救急車で病院に運ばれたが息を引き取った。やすしさんとは75年に再婚同士で結婚。天才ながら破天荒で、酒に依存し、晩年は体を壊して弱気になったやすしさんを支えた。今年はやすしさんの十三回忌で、倒れた際も関連する打ち合わせの最中だった。

 この日夜、大阪府内の自宅では営まれた仮通夜に参列した師匠の宮川花子(52)が、遺体に寄り添うひかりに託された言葉を代弁した。「正月からずっと、母は父の十三回忌でやってきました。最後の最後まで父のことを思い、亡くなっていきました。でもお父さん、迎えにくるの早すぎる…」。

 木村家の関係者によると、啓子さんは23日午後6時半ごろ、自宅でひかりが所属する吉本興業関係者らと、やすしさん十三回忌の打ち合わせをしていた最中に、突然苦しみだした。隣にいた同関係者が抱きかかえ、救急車の手配をしたがいびきをかき始めた。治療のかいなく息を引き取った。ひかりは吉本関係者に「(母が)倒れた。病院へ向かう」と伝え、当面の仕事の調整を依頼した。その約30分後、悲報が届いた。

 啓子さんは今年2月、体調が芳しくないため、ひかりや、漫才師宮川大助(57)花子(52)、その長女でひかりとコンビを組む宮川さゆみ(30)らと沖縄へ治療を兼ねて旅行。つい最近も9月の人間ドック入りを決めたばかりだったという。

 それだけに、ひかりのショックは大きく、この日昼ごろ、遺体とともに自宅へ戻り終日、付き添った。啓子さんの隣には、やすしさん愛用のめがね、ネクタイなどが並べられていた。夜には仮通夜が営まれ、大助・花子、横山ひろし夫妻らが駆け付けた。

 弔問を終えた花子は「(ひかりは)今は気も張ってるから気丈に葬儀の手配などをしているけど、初七日が終わってぐらいからが心配。見守っていきます」と、涙ながらに語った。午後9時すぎ、義理の息子の俳優木村一八(38)が仕事先の北海道から駆け付けた。大きな声で「ただいま」と玄関に入り、夜通しひかりを励ました。