小室哲哉容疑者(49)が著作権譲渡をめぐる5億円の詐欺容疑で大阪地検特捜部に逮捕されたことで4日、関係者には大きな波紋が広がった。エイベックス・グループ・ホールディングスは、同容疑者がメンバーのglobeについて、年内に予定していたCD2枚の発売中止を決定。母校の早稲田実業も「きわめて残念」。役員を務める会社とスポンサー契約を結ぶJ1大分も、支払いに「影響が出る可能性はある」と不安を隠せなかった。

 エイベックスは4日、小室容疑者がメンバーとなっているglobeのシングルCD「Get

 Wild」と「Self

 Control」の発売中止を決めたと発表した。このほかglobeの全曲の音楽配信停止も決定した。同社は「逮捕されるという事態が生じたことは大変に遺憾なこと。今後の捜査の行方を注意深く見守りたい」とのコメントを発表した。

 「小室哲哉記念ホール」を持つ母校の早実(小、中、高=東京・国分寺市)でも、小室ショックが広がった。中3女子は「バドミントン部なんですけど、小室さんは部の先輩。悲しいですね」と漏らせば、中2男子も「学校からもらったCDに小室さんが作った曲が入っていた。心配です」と表情を曇らせた。学校側は「一時代を画したミュージシャンであり、沖縄サミットの音楽プロデューサーや国連親善大使を務めた方なので、しかるべき説明責任を果たされると思います。きわめて残念なことです」とコメントを発表した。

 記念ホールは、440人収容。小室容疑者が建設費の一部を負担し、01年9月にオープンした。右手の実物大の像や作曲した記念歌「ワセダ輝く」の楽譜などが飾ってある。ホールの名称変更に、関係者は「今はコメント以上のことは何も話せない」と口を閉ざした。OBの王貞治氏に続き、学校から「校賓」の称号を与えられているが、はく奪される可能性が高い。

 一方、サッカーのJ1大分は、04年8月に小室容疑者が役員を務めるトライバルキックス社とスポンサー契約を締結したが、05年に7000万円の滞納が発覚した。同年9月から分割(推定月100万円)で始まった支払いは今年10月分まで滞りなく払われているが、まだ未払い分が約3500万円ある。運営する大分FCの広報担当は「今は静観するしかないが(今後の支払いに)影響が出る可能性はある」と、不安を隠せない。小室容疑者は04年6月にスーパーバイザーに就任。その後、ユニホームスポンサー契約を締結した。