NHKは6日、10年1月スタートの大河ドラマ「龍馬伝」の主役にシンガー・ソングライターで俳優の福山雅治(39)を起用すると発表した。福山は時代劇も、NHKのドラマ出演も初めて。来年はデビュー20周年を迎えるため、音楽との両立に迷いもあったが「驚きとプレッシャーとともに、大変光栄。このスタッフだからこそ表現できる坂本竜馬をつくりあげたい」とコメントした。

 NHKの鈴木圭チーフプロデューサー(CP=46)は、福山の起用理由を「描く竜馬像はネバーエンディング、つまり進化し続ける人。音楽家で俳優で、写真でも活躍するなど、新しいことにチャレンジする福山さんはイメージにぴったり」と説明した。

 交渉を開始したのは昨年12月だったという。鈴木CPは会うたび「骨っぽい、男っぽい人と感じた」とイメージが膨らみ、今までにない福山を見せることができると感じたという。一方で、福山は来年デビュー20年を迎える。NHKのドラマは初出演で、時代劇も初挑戦。大役を重く受け止めた上、音楽活動もあり当初は「本当に僕でいいのか」と10月末まで考え抜き、決意を固めたという。スケジュールの調整もつき、今は竜馬が北辰一刀流の名手だったことから「早く剣術の練習をしたい」と意欲を示している。鈴木CPは「肉体的にも武士になろうとしている」と説明した。

 「龍馬伝」は福山主演の「ガリレオ」を手掛けた福田靖氏が脚本を担当するなど、福山の起用とともに、これまでの「NHK大河ドラマ」の枠にとらわれない布陣になった。竜馬役については、一部で木村拓哉の名前も報じられたが、鈴木CPは「一直線でした。浮気は一切していません」と話した。

 竜馬は幕末、海援隊の結成や薩長連合のあっせん、大政奉還の成立に尽力した。物語の舞台は、高知、京都と福山の出身地でもある長崎が中心となる。