肺がんのため7日に亡くなったニュースキャスター筑紫哲也さん(享年73)の通夜は8日、密葬で営まれたが、筑紫さんとゆかりの深い友人らが弔問に駆け付けた。女優渡辺えり(53)は、弔問後、取材に応じ、昨年、入院中の筑紫さんに出版した戯曲集のあとがきを書いてもらったとし「すごくいい文章でした。お礼を言う時間もなく、会った時に言おうと思っていました」と語った。20年以上も渡辺の芝居を見てくれたとし「ジャーナリストとしてもすごいけど、演劇を愛した人がもういないかと思うと」と語ると、我慢していた涙が一気にあふれ号泣した。

 89年10月の「筑紫哲也ニュース23」のスタート時から8年間サブキャスターを務めた浜尾朱美さん(47)は「ひつぎの中の顔を見ると、私の知っている優しい顔でした」。フリーキャスターの田丸美寿々さん(56)や元TBSアナの有村かおりさんらも弔問に訪れた。

 弔問に訪れた朝日新聞社時代の先輩記者の中島清成氏(76)は「僕が知っているなかで一番ハンサムな顔をしていた。遺影は20~30年近く前に撮影されたもののようで黒髪に白髪が交じって若々しかった」と話した。

 また、届けられた生花は数知れず、森光子、松山千春、さだまさし、小沢征爾、和田アキ子、吉永小百合、石川さゆりら、筑紫さんと生前交流のあった名前があった。