【ロサンゼルス17日(日本時間18日)=千歳香奈子通信員】米歌手マイケル・ジャクソン(50)が、バーレーンのアブドラ・ビン・ハマド・ハリファ王子(33)から契約不履行で訴えられた。英ロンドンの高等法院で始まった裁判で、アルバム制作を条件に事前に支払った700万ドル(約6億6500万円)の返済を求められた。マイケルは契約はなかったと反論。裁判は長引きそうだ。

 王子側の弁護士によると、マイケルはアマチュア作曲家でもあるハリファ王子と共同でアルバム制作を行うことを条件に、700万ドルの必要経費を支払ってもらったという。独自のレーベルでCDをリリースし、売上金は04年のインドネシア・スマトラ島沖地震による津波被害者救済のために寄付する予定だったと主張した。

 だが、予定していた2枚のアルバムの制作はなされなかった。王子がマイケルに経費の返還を求めたところ、「贈り物だった」として断られたという。

 米ロサンゼルスからテレビ電話で法廷に参加したマイケルは、「王子は誤解している」とあらためて制作費として借りたという認識がないことを示した。

 とはいえ、マイケルは05年に性的虐待裁判が行われていた時、ハリファ王子から援助の申し出を受けた。裁判費用220万ドルのほか欧州への旅行費35万ドル、カリフォルニア州にある自宅兼遊戯施設「ネバーランド」の公共料金3万5000ドルなどを負担してもらった。同年6月に裁判で無罪の判決が下りると、マイケルはバーレーンに移住。スタジオを新設してもらったほか、27万5000ドルもする高級車のロールスロイスもプレゼントされた。生活費なども含め、数百万ドルの出資を受けていた。

 ハリファ王子は「マイケルの可能性への投資だった。彼は復活した後に返済すると言っていた」と話している。

 多額の借金を抱えるマイケルは今月、約2450万ドルのローンを滞納していたネバーランドの所有権を失ったばかり。金銭トラブルも多く、これまで1000回以上も訴えられているという。

 日本では今月、音楽プロデューサーの小室哲哉容疑者(49)が、所有していない楽曲の著作権を譲渡すると偽って5億円をだまし取ったとして逮捕された。小室容疑者は米国進出を目指した97年、マイケルのロスの自宅に招かれたことがあった。2人とも成功したアーティストだが、ともに資金繰りには苦労しているようだ。