2晩続けて感動の演技を披露した子役が現れた。NHK大河ドラマ「天地人」の主人公直江兼続の幼少時代、与六を演じている加藤清史郎(7)だ。5歳にして上杉謙信の後継者、10歳の喜平次の家臣となるため親元を離れ寺で修業の身となる役柄。「わしはこんなところに来とうなかった」のセリフに胸を打たれた大人たちが続出。4日の第1回の放送直後から「かわいい」「幼いのに演技が上手」などといった視聴者の声がNHKに寄せられている。

 11日の第2回で出番を終え、主演の妻夫木聡(28)とバトンタッチ。ところが、12日スタートのフジテレビの“月9”「ヴォイス~命なき者の声」で瑛太(26)演じる主人公の幼少時代にも起用されていた。こちらは事故で亡くなった母親の遺体のそばで気丈にふるまう役柄。同時期の連続ドラマの主人公を掛け持ちする快挙!?

 を遂げている。

 所属する劇団ひまわりは「この年代の子であんなに泣ける子はいない」という。泣くシーンになると、加藤は自然と涙があふれだし「泣き虫与六」の役にはぴったりだった。ただし、生後数カ月からドラマ出演した最初の決めてとなったのは「他人に抱かれても泣かないこと」だった。それが7年たつと必要なときにすんなり泣けるのだから、演技力は相当なものだ。

 2歳でTBS系のドラマ「マンハッタンラブストーリー」に出演後、保護者の希望で3歳から劇団ひまわり幼稚部のレッスンに通い始めた。小1となり、時間の許す限り演技や日本舞踊、ダンスなどを学び、体操の子役エキストラ募集にも手を挙げ「何でも積極的にやろうとする頑張り屋」と周囲に評価される。両ドラマは収録時期が違い、掛け持ちは偶然だったが努力と演技力が評価されての起用は確かなようだ。

 [2009年1月14日7時53分

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