TBSの人気NO・1女性アナウンサー小林麻耶さん(29)が3月下旬をめどにTBSを退社し、フリーに転身することが23日、分かった。小林アナは今春スタートする同局の夕方から2時間の報道番組でキャスターを務めることが決まっているが、フリーの立場で予定通り出演する。同局のアイドル的存在だったが、新たな可能性を試したいという意思を貫いた。所属先は未定だが、しばらくはTBSとの専属契約となりそうだ。

 小林アナが退職を決意したのは昨年夏ごろだったという。関係者によると当時から上司にフリー転身を相談していた。TBSも看板アナの退職は痛手で、何度も慰留を試みたが意志は固かった。今月中旬、熱意に押される形で了承した。小林アナは春にスタートする月~金曜日午後5時50分から2時間枠の報道番組でキャスターを務めることが昨年末に決定。夢だったキャスター起用が決まる前に、退社の意思を固めていた。

 関係者はフリー転身の理由を「アナウンサーとしての自分の可能性を試したい。仕事の範囲も広げてスキルアップしたいという気持ちがとても強かった」と説明する。看板アナとしてバラエティーや情報番組など、レギュラー6番組を掛け持ち、周囲が心配するほどの仕事量をこなしてきた。妹で日本テレビ系「NEWS

 ZERO」の小林麻央キャスター(26)と美人姉妹の話題性もあり、人気女性アナウンサーランクの上位にランクされ続けている。人気と比例するように多忙になったが、アイドル的な脚光の浴び方が、本来の報道志向と懸け離れていったのも転身の要因だったとみられる。

 本人の退社の意向とは別に、TBSは新番組の顔として報道志望の小林アナのキャスター起用を決めた。昨年12月のキャスター発表会見で小林アナは「夢みたい。新人のような真っ白な気持ちで頑張りたい」と抱負を語ったが、退社の意思は固かった。関係者は「局としても、昨年夏からの小林アナの気持ちを考慮すると、心機一転、スッキリした気持ちでスタートする方がいいと考えたようだ。スタッフ一丸となって、新しい小林アナを盛り上げようということだろう」と説明。番組のスタート前の3月下旬までには同局を正式に退社するという。

 小林アナは今年7月に30歳になる年齢も大きなきっかけだった。昨年春、世間で言われる「女子アナの30歳定年説」について「女性にとって30歳というのは女子アナに限らず、ひとつの転機だと思っています。女子アナ定年説、私はあると思います。その時、私がどうなっているのか、何ができるか想像しています。楽しみです」と話し、節目の年齢になることを意識していた。

 各局とも制作費を抑える意味合いもあり、番組のジャンルを問わず自局のアナウンサーを出演させる方針に転換している。華やかに見えるフリーに転身も、大きな成功を収めた女性アナの例は意外に少ない。キャスターの夢がかなった小林アナは、TBSにとどまる選択肢もあったが心機一転、フリーとして報道に携わる道を選んだ。両者の話し合いで、しばらくはTBSの番組だけに出演する「専属キャスター」の形になりそうだ。

 [2009年1月24日6時43分

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