お笑いタレント狩野英孝(26)が、昨年6月14日の岩手・宮城内陸地震で被災した宮城県栗原市の実家、桜田山神社で復興応援の無料ライブを行うことが8日、分かった。狩野の父勉さん(56)が神主を務める同神社で4月12日に行われる「春の大祭」後に、境内でネタを披露する。地震後、地元から複数の要請があったものの調整がつかなったが、このほど実現のめどが立った。地域への御礼と応援の気持ちを込め“イケメン神社”に帰還する。

 古墳時代から1500年以上も続く由緒ある神社で、イケメンネタが披露される。狩野が日帰りで参加するのは、地域にとって、昨年の地震からの復興祈願の新たな節目である4月12日の「春の大祭」。地域の子どもらが1年の豊作を祈願する栗原市指定無形文化財「桜田ばやし」の奉納後、狩野が単独ライブを行うという。狩野は昨年6月14日の地震後、11月に番組収録のために1度だけ帰省したが、プライベートの帰省は今回が初。故郷でのライブも初めてだ。

 狩野は同神社で高校卒業まで過ごし、地域住民から子ども時代のままの「英孝ちゃん」として今も親しまれている。地震後、神社には「お笑いライブで地元を明るく盛り上げてほしい」などの要請が地元から複数あったが、なかなか調整がつかなったという。

 しかし、神社も今年の正月に参道が復旧。狩野のイケメン効果もあり、1月の初詣では例年の10倍の5000人を超える史上最多の参拝客でにぎわった。復旧のめどもたったことから、同神社では地域への恩返しとしてのライブを、狩野の所属事務所に頼み込み、実現にこぎつけた。このほど、狩野のメッセージ入りのポスターも作成し、大祭と御礼・応援ライブの案内を進めている。

 岩手・宮城内陸地震は岩手・宮城両県で死者13人、不明者10人を出したが、そのうち、栗原市だけで9人が死亡、8人が不明となった。関係者によると、大きな被害を受けた地元の応援ライブだけに、狩野は当初「自分はまだまだ未熟です」として、簡単には引き受けようとしなかったという。だが地元の要請も相次ぎ、今回は「ボクを育ててくれた故郷に感謝し、少しでも応援できれば」と、ライブ開催を決意した。大祭のスタートは日曜日の午後1時。地域の子どもたちも、郷土が生んだ“イケメン”スターの姿を待ち望んでいる。

 [2009年2月9日9時34分

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