歌手吉田拓郎(62)が9日、エイベックスへのレコード会社移籍と、6月から最後の全国ツアー実施、そして4月15日に6年ぶりのオリジナルアルバム発売を発表した。「今さらとお思いでしょうが…」と控えめにコメントしながら、音楽人生の最終章をスタートさせる。

 03年4月に肺腫瘍(しゅよう)摘出手術を行って以降、拓郎はずっと体調不良と闘ってきた。翌年には全国ツアー中に貧血で倒れ、その後の公演を延期。07年8月にも急性気管支炎でツアーを延期。翌月に復活ライブを行ったが、すぐに慢性気管支炎と腹膜炎を理由にツアーを中止した。だが、昨年のラジオ番組で「来年にファンへのありがとうの気持ちを込めた締めくくりツアーをやって、全国ツアーから撤退する」と宣言。全国を回るには、相当の体力と気力の充実が不可欠。拓郎は周囲に「年齢的にどれかが足りなくなってきている。自信がない」ともらしていた。だが、心身の回復に努めた結果、最後のツアーへ飛び出す決心を固めたという。

 6月21日の名古屋を皮切りに、最後は7月25日の「つま恋」で締める。今回は会館を選んだが、つま恋は75年にオールナイトコンサートで6万人の若者を集めた伝説の地であり、06年にかぐや姫と31年ぶりに野外イベントを行った復活の地でもある。

 70年に「イメージの詩」でデビュー以来、時代の最前線をずっと走り続けてきた拓郎。病気をきっかけに「頑張らないことも大切」の境地に達した。アラ還拓郎が、最後の全国ツアーで音楽キャリア38年の集大成を見せる。

 [2009年2月10日6時55分

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