70年代に一世を風靡(ふうび)したアイドルグループ、フォーリーブスが29日、活動を休止する「さよなら公演」を行った。1月に亡くなった青山孝史さん(享年57)が音頭を取って再結成して7年。78年に解散コンサートを行った思い出の地で、残された3人は再出発する。また、青山さんの愛娘憂子さん(11)がステージに立ち、父の遺志を継いで「歌って踊れるタレントになる」と誓った。

 「ここにター坊(青山さん)も来ています。今日は4人で力を合わせて、楽しく熱狂的に足腰が痛くなるほど頑張ります」。江木俊夫(56)があいさつすると、4人を表す青、黄、赤、緑の4色のペンライトを持った女性ファンで埋まった会場が大歓声に包まれた。4色の中で最も多いのが緑色。青山さんの遺影が自分色で埋まった会場を静かに見守る中、最終公演はスタートした。

 サプライズが飛び出したのは9曲目の「約束」だった。バックで踊る12人の子供ダンサーが登場すると「ター坊の娘がいます」。憂子さんが紹介されると、大きな拍手がわき起こった。これまでもステージに上がったことのある憂子さんだが、青山さんが亡くなってからは初めて。

 「パパの代わりになりたいから」と自ら志願したという。ダンス歴はまだ2年。父の死までは趣味の延長だったが、今では「パパのように歌って踊れるタレントになりたい」と強い決意でレッスンに取り組むようになった。

 アンコール曲の「My

 Way」では、青山さんの生前の歌声がコーラスに加わり、江木、おりも政夫(55)北公次(60)の3人が声を合わせた。生前の青山さんをしのび、会場のあちこちですすり泣きが漏れる。

 江木たちも涙を浮かべながら歌いきった。最後は無人のステージ真ん中にスポットライトを当てた。まるでそこに青山さんがいるかのように、メンバーもファンもライトが消えるまで、青山さんの姿をステージ上に見ていた。

 「フォーリーブスは4人なんです。3人でやっていく心の整理がつかない。覚悟がない」と江木。4枚の葉のうち1枚が天国に旅立って2カ月。メンバーは、7年の再結成に再び終止符を打った。

 [2009年3月30日7時41分

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