SMAP草なぎ剛(「なぎ」は弓へんに前の旧字体その下に刀)容疑者(34)が23日、公然わいせつの疑いで警視庁赤坂署に現行犯逮捕された。赤坂署によると、草なぎ容疑者はこの日午前3時ごろ、東京都港区の東京ミッドタウンに隣接する公園で酒に酔って全裸になって騒いでいた。駆けつけた署員に「裸だったら何が悪い」と話して暴れたため、全裸のまま保護シートにくるまれパトカーで連行された。所属するジャニーズ事務所は当面の活動自粛を決めた。国民的アイドルSMAPメンバーの逮捕は各方面や海外にも衝撃を広げた。

 赤坂署によると、23日午前2時55分、港区赤坂の檜町公園近隣の男性住民から「公園内で酔っぱらいが騒いでいる」と110番通報があった。近くの交番の署員3人が駆けつけると草なぎ容疑者が芝生の上に全裸であぐらをかいて座り、意味不明のことを大声で叫んでいた。仲間の姿は見当たらず1人だった。職務質問に対し立ち上がり、「裸だったら何が悪い」などと答えた。「騒ぐな」「事情を聴くぞ」と呼び掛けると手足をばたつかせて抵抗した。同署は同日午前3時2分、公然わいせつの疑いで草なぎ容疑者を現行犯逮捕した。抵抗を続けたため、保護用のグレーのシートで胴体をくるまれ、3人がかりで十数メートル離れたパトカーに運ばれ、そのまま赤坂署に連行された。

 近隣住民によると、全裸のまま大声で歌い踊っているように見えたという。別の住民は「ベンチに座り、ワー、ギャー、コラーッとかバーカと叫んでいた」。逮捕を目撃した住民によると、押し問答になった草なぎ容疑者が「シンゴー!」とSMAPメンバー香取慎吾(32)と思われる名前を叫んでいたという。

 同署によると、逮捕時は泥酔状態だった。着ていたとみられるジーンズとジージャンや長袖Tシャツ、下着、靴下や、財布、携帯電話が入ったカバンや靴などは十数メートル離れた芝生の上にまとめて置かれていた。付近で酒を飲んだ形跡はなかった。

 裸のまま赤坂署に着いた草なぎ容疑者は衣服を着させられ、取調室に入った。座っていることができず、時折うつぶせになるなど、当初はまともな調べができない状態だった。逮捕から約5時間後の検査で、酒気帯び運転の基準の約5倍にあたる呼気1リットル中0・8ミリグラムのアルコールが検出された。調べに対し「全裸になったことは間違いありません」と容疑を認め、「なぜ公園に入り、なぜ裸になったのか覚えていません」と話した。体調が落ち着くと「反省しています。申し訳ございませんでした」と謝罪の言葉を口にしたという。また尿検査の結果、薬物反応はなかった。

 調べによると、草なぎ容疑者は22日午後8時ごろから、赤坂にある飲食店2軒で知人男性と知人女性らとビールや焼酎を飲んだ。23日午前1時すぎにこの店を後にしたが、知人女性と別の店に入って再び酒を飲んだ。同日午前2時ごろまでに店を出て公園まで歩き、女性とは公園入り口で別れた。女性は草なぎ容疑者について「酔っていた」と話している。酒量などは不明だ。関係者によると草なぎ容疑者はこの日はオフだった。また、接見した所属事務所の担当弁護士によると、1人で飲食していたという。

 草なぎ容疑者は23日午後1時すぎ、青い長そでTシャツ姿でボサボサの髪形、うつろな表情、うつむいた姿勢でワゴン車に乗り込み、留置施設のない赤坂署から原宿署に移送された。赤坂署は同日午後4時すぎ、全裸で暴れる常習性などを裏付けるものがあるか調べるため、公園すぐ近くにある草なぎ容疑者の自宅マンションを家宅捜索したが、押収品はなかった。草なぎ容疑者は24日、身柄を送検される。

 [2009年4月24日8時20分

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