歌手中島みゆき(57)が、1枚9万4500円のガラス製CD、8作品を同時に発売することが27日、分かった。00年以降に発売した「短編集」「心守歌-こもりうた」「ララバイSINGER」などアルバム8作品が、究極の高音質CDとしてよみがえる。これまで、ガラス製CDはクラシック、ジャズでは発売されているが、Jポップでは初めて。1枚の値段としても、Jポップ史上最高価格となる。

 通常のCDは基盤がポリカーボネート(プラスチックの一種)だが、今回のCDはカメラなどの高級レンズに使用されている超精度光学用ガラスを使用。再生する際、レーザーが反射する部分(裏側)もアルミではなく、純金が使用されている。マスタリングスタジオで完成した音を、限りなく忠実に再現できるのが特徴。制作過程は手作りで、1日に製造できるのは十数枚だという。重さは通常の2倍の33グラム。強度も高く傷にも強いという。

 中島は90年代に、通常CDより500円高い高音質CD「APO盤」を発売している。00年以降は高音質CDが発売されておらず、ファンからの高音質を求める声が高まり、ガラス製CDの発売が決まった。不況の時代に逆行する値段だが、発売元のヤマハミュージックは「出すなら、今の最新技術を用いた究極のCDで出そうと思いました。聴いていただけると分かると思います」。

 完全予約生産で注文受付は8月1日からスタート。同社は「1枚からでも作ります」。パッケージは特製アクリルケースで、比較試聴用として通常盤CDも付いている。

 [2009年7月28日7時57分

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