押尾学容疑者の逮捕に続き、酒井法子容疑者(38=本名・高相法子)も逮捕され、芸能界が薬物に汚染されている現状があぶり出された。80年代は事件化されるのは1~2件程度だったが、ここ数年5~8件に増加している。

 警察庁によると、国内の薬物犯罪の摘発は大麻が増加傾向にある一方、覚せい剤は減っている。覚せい剤の摘発人数は過去最多だった84年(約2万4000人)に比べ、昨年は半数以下となる約1万1000人。だが、芸能界に限っては、覚せい剤、大麻、合成麻薬MDMAなど薬物汚染は後を絶たない。

 薬物事情に詳しい関係者によると、最近は芸能関係者も多く利用する都内のクラブのVIPルームなどで簡単に入手できる状態になっているという。酒井容疑者も高相容疑者と東京・港区内のクラブでハイテンションで騒ぐ姿が目撃されている。さらに、国内における覚せい剤は“品薄”状態で、取引価格は年々上昇。売れっ子となれば、若いうちからけた違いの収入を得る芸能人が、販売元となる暴力団などのターゲットになりやすいという。

 そんな状況に、河村建夫官房長官(66)は、政府が麻薬・覚せい剤撲滅に全力を挙げる姿勢を強調した。「芸能界での薬物まん延がかねて指摘されており、それが明るみに出つつあるということ。徹底的に洗って根を絶つことが必要だ」と述べた。警察庁幹部も「芸能人の薬物汚染は社会的な影響も大きく、厳しい姿勢で臨まなくてはならない」と語っている。

 酒井容疑者が目撃されたこのクラブは、ほかにも多くの芸能人が通っているとされている。捜査関係者からは、薬物使用が疑われる芸能人の名前が複数挙がることもあり、押尾容疑者や酒井容疑者の供述によって、芸能界に“激震”が起こる可能性もありそうだ。

 [2009年8月9日8時19分

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