酒井法子容疑者(38)が覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで今月8日に出頭し逮捕されるまで、6日間にわたる逃走劇に関与した人物たちの背景が18日、明らかになった。

 19日発売の「週刊文春」によると、逃走中に滞在した神奈川・箱根の別荘を所有するのは元弁護士(75)で、同行していたとみられる男性は元弁護士の弟だという。さらに同容疑者が逃走中に東京・東大和市内のマンションに立ち寄ったことも新たに判明。このマンションにはかつて元弁護士の別の弟が住み、現在もその親族が所有していることが分かった。同マンションの別の部屋には、この弟の元妻が住んでおり、元妻はこの日「(元夫と)連絡を取っていないので何も分かりません」とだけ話した。

 酒井容疑者は3日未明、夫の高相祐一容疑者(41)が職務質問を受けた東京・渋谷の路上で任意同行を求められたが拒否。高相容疑者が「社長」と呼ぶ男性の車に乗って現場から立ち去った。酒井容疑者はその後、亡父の再婚相手の継母と「社長」と呼ばれた男性と行動をともにしていたとみられている。この「社長」は元弁護士の弟で、都内で建設会社を営んでいる。この日、都内のマンションでこの「社長」の家族が取材に応じたが、「うちは違います。関係ありません」とだけ答えた。

 渋谷の現場から立ち去った後、酒井容疑者は都内で買い出しをし、3日夜までに山梨県内に移動し、現地で一夜を過ごした。翌4日には東京・東大和のマンションに移動してここで2泊。その後は箱根の別荘に移り、ここでも2泊してから出頭した。一連の逃走経路にはいずれも元弁護士とその弟2人が深くかかわっていたことになる。そして、この兄弟3人を酒井容疑者に紹介したのは継母だったとみられる。

 元弁護士は、同容疑者を担当する榊枝真一弁護士が所属する「みやび法律事務所」の元所長。元弁護士はかつて、高額納税者の常連だったが、97年に顧問企業の架空増資事件で逮捕され03年に有罪が確定。弁護士資格を失った。また、東大和のマンションに同容疑者を宿泊させた元弁護士の弟は現在、同法律事務所の事務局長を務めている。

 [2009年8月19日7時2分

 紙面から]ソーシャルブックマーク