覚せい剤取締法違反(所持)で起訴された酒井法子被告(38)が1日、夫で自称プロサーファーの高相祐一容疑者(41)側に長男(10)を預ける意思がないことを強く示した。この日、酒井被告と接見した高相容疑者の母親から長男を預かりたいとの申し出を受けたが拒否した。

 酒井被告は1日午前、拘置されている東京・湾岸署を訪れた義理の母親と接見した。酒井被告と高相容疑者の弁護士を紹介し、逃走劇「空白の6日間」にかかわった建設会社会長(71)によると、高相容疑者から頼まれた義理の母親は「子供だけは預かりたい」と酒井被告に申し出たという。酒井被告は「子供のことはお母さんには預けられません」と断った。諦めた義理の母親は「お母さん(同被告の継母)と長男と3人で生活した方がいいね」と話したという。

 義理の母親に対する断固とした拒否には、高相容疑者と高相家に対する不信感がある。酒井被告とも20年来交流がある会長によると、長男は酒井被告の継母には懐いていたが、義理の両親が預かったり、面倒を見ることはなかったという。

 義理の両親は酒井被告の担当弁護士に「息子の保釈金を法子さんに出してもらえないか」と相談した時期もあった。酒井被告は孫よりもわが子の心配を優先する義理の両親に対し、不信感を募らせたようだ。

 一方、これまで酒井被告と高相容疑者を同じ榊枝真一弁護士が担当してきたが、近日中にも高相容疑者が同弁護士を解任するようだ。当初、酒井被告から相談を受けた会長が高相容疑者に同弁護士を紹介した。高相容疑者は10日ほど前から、知人から紹介された別の弁護士に依頼している。

 長男が通う東京都港区の小学校ではこの日、始業式が行われたが、長男は欠席した。同校の校長によると、転校手続きなどに関する連絡はきておらず「いつ登校してもいいように待っています。登校したら大事に迎えてあげたい」と話した。始業式のあいさつでも特に事件には触れず、児童にも動揺は見られないとした。当初、長男は同級生の家庭に預けられた。現在、長男の預かり先と学校側と連絡は取れているが「本当はお母さんと一緒にいられるのが一番いいんでしょうけど」と気遣った。

 ここ数日の酒井被告は、取り調べ以外の時間は弁護士の差し入れた瀬戸内寂聴氏の著書を読んでいることが多いという。反省する供述も始め、母親としての情愛も示すが、長男に学校生活は戻っていない。

 [2009年9月2日9時42分

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