酒井法子被告(38)と同じ覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた弟の酒井健(たけし)被告(30)の初公判が14日、福岡地裁で行われた。法子被告は自称“一人っ子”だったが、2人は異母きょうだい。健被告は姉と手紙で交流してきたとしており、拘置中に姉の逮捕を知ったという。「姉とともに薬をやめる。協力しあってやっていきたい」と答え、そろっての出直しを誓った。

 冒頭陳述などによると、健被告は今年6月末、福岡市内を車で走行中に風邪で頭痛がひどかったため、体のだるさや疲れを取ろうとして、財布に入れていた覚せい剤入りカプセルを飲んだという。健被告は丸刈りで、上下水色のジャージー姿で入廷。顔色は青白くやつれていたが、終始表情を変えることはなかった。

 健被告は過去に3度の逮捕歴がある。うち、覚せい剤の使用及び所持で2度逮捕されている。同法違反の罪で懲役1年10月の判決を受け、今年5月に出所したばかり。出所後わずか1カ月後の犯行だった。公判で覚せい剤への依存を指摘されると「今回は今までとは違う。きっぱり縁を切ります。姉が逮捕されたことで多くの人に迷惑を掛けた。姉と一緒に薬をやめて、協力しあってやっていければ」と話した。

 法子被告と父親が同じ。法子被告の母親が父三根城さんの最初の妻で、健被告の母親が2番目の妻。健被告には妹がいるという。健被告は異母姉を「家族なので、自分にとって大事な人」とした。

 一方、法子被告はこれまで一人っ子と主張。所属事務所も弟の存在を知らなかった。健被告を担当する杉田邦彦弁護士によると、2人は健被告が小学生になるまでの数年間、福岡で一緒に暮らしていた。その後、2人は手紙でやりとりをしていたという。

 「姉を誇りに思っていた」という健被告。拘置中に姉の逮捕を知り、大きなショックを受けたという。心配から拘置中にもかかわらず、電報を打ち、所属事務所のサンミュージック経由で、姉への手紙を出したことも明らかになった。「法子姉ちゃんへ」と切り出した手紙は「何かあれば血を分けた自分と妹がいます。きっときっと力になります。負けずに頑張っていきましょう」「オレにできることがあれば何でも言って」などと、便せん2枚にわたってつづっている。一方、出した手紙について「届いているとは聞いていない」とした。

 検察は依存性を指摘し「再犯の可能性が極めて高い」として懲役3年を求刑。公判はこの日で結審し、28日に判決が言い渡される。

 [2009年9月15日8時14分

 紙面から]ソーシャルブックマーク