押尾被告に執行猶予5年「説明は不自然」
押尾学被告(31)の言い分は、まったく認められなかった。麻薬取締法違反の罪に問われ、東京地裁に懲役1年6月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡された同被告に対し、井口修裁判長は「法廷での説明は不自然」「およそ信用しがたい」などと厳しく言い放った。法定上限執行猶予を付して「再び違法薬物に手を出さないか見守る必要がある」と注文を付けた。
言葉に抑揚がほとんどなく、淡々と読み上げられた判決文だった。わずか4分。だが、その内容は押尾被告への厳しい言葉に満ちていた。
今回の裁判は押尾被告が合成麻薬MDMAを1回服用したという事案だが、判決内容は、同被告が文字通りの麻薬常用者と認定していた。2年前から最近まで、外国で複数回服用していたことを明示。その上で「麻薬施用者との交友関係が深く、麻薬に対する親和性が相当強い」と刑事責任の重さを強調した。だが、前科がなく、素直に公訴事実を認めていることから「1度は社会内で自分の力で更生する機会を与えるのが相当」と実刑を回避した。
押尾被告はMDMAを「死亡女性から渡された」と主張し、女性に送った「来たらすぐいる?」のメールを「いる? は僕自身。薬ではない」と説明していた。判決は、それらの供述に「内容が不自然。およそ信じがたい」と“不信”の2文字を突きつけた。
同被告が薬物との断絶を誓ったことにも「環境整備が十分にできていると認めがたい」と断じた。そして「相当長期間にわたって、再び違法薬物に手を出さないかどうか見守る必要がある」と注文し、法定上最長で実刑の手前とも言える5年間の執行猶予を付した。
判決を聞く押尾被告は直立不動だった。発した言葉は3度の「はい」だけ。イスに座って量刑理由に耳を傾けてる際は、ひざの上に置いた拳を一層強く握りしめ、緊張からか何度も瞬きを繰り返した。左手首に付けた数珠は、初公判の1つから2つに増えていた。自らのお守りか、それとも死亡女性への鎮魂の意味があったのだろうか。
[2009年11月3日9時56分 紙面から]
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