押尾学被告(31)が判決を言い渡された2日、東京・六本木ヒルズ内のマンションで一緒にいて亡くなった田中香織さん(享年30)の母親(52)が岐阜県内の自宅で取材に応じた。

 この日は田中さんが非業の死を遂げた8月2日からちょうど3カ月。「今回はあくまでも薬物に関する裁判だと思っている」と前置きした上で「裁判官の『被告の法廷での説明は不自然で信用しがたい』という言葉は、私たちには大きく感じました。娘の件は捜査中とはいえ、押尾さんの言っていることが全部真実ではないのかなと。命日の娘に裁判官の言葉を伝えてあげたい」と淡々と話した。

 田中さんが亡くなった空白の3時間については、保護責任者遺棄致死容疑での立件に向け、捜査は大詰めを迎えている。検察側も立件を意識してか、初公判では空白の3時間に触れていない。

 一方、押尾被告はすでに米国での再出発を図っているといわれているが「私たちがどうこういえることではないです」。押尾被告や元所属事務所エイベックスからの連絡は「何もないです」と明かした。「見舞ってほしいのではなく、彼自身、人の死をどういうふうに思っているのかと思います」と語気を強めた。

 季節は田中さんが亡くなった夏から間もなく冬を迎える。いまだ立件されない娘の死。「時々不安になりますけど、まだ、民事裁判を考える余裕はない。刑事事件のステージにも上がれていない状況だと感じています。せめてスタート台まで乗せてほしい」。涙ながらに捜査の進展を訴えた。

 [2009年11月3日9時57分

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