【米ニューヨーク12日=林尚之】香取慎吾(32)主演、三谷幸喜氏(48)作・演出の新作ミュージカル「TALK・LIKE・SINGING(トーク・ライク・シンギング)」がニューヨーク大構内にあるスカーボール・センター(22日まで)で幕を開けた。

 観客は在留邦人と日本人観光客らが大半で、850席の9割が埋まった。その中で普通に言葉を話せず、いつも歌い踊り続ける青年役の香取は半ズボンの子供から、バスケット選手、バーガーショップ店員、ホームレスと衣装を次々変え、25曲を体操のような振りで歌う大熱演。カーテンコールはスタンディングオベーションとなった。

 終演後、香取は「想定外に盛り上がってくれた。思わぬところで歓声が上がって動揺したところもあったけれど、それもうれしかった」と手応えを口にした。日本のトップスターも米国では無名の新人。「1人の侍としてやってきた。昔、侍が米国に1人で来たらこんな感じかなと思った。今はホッとして、ホットな気分です」。英語のセリフも2分近い長ぜりふなど見事に演じ「出来は90点」。

 オフ・ブロードウェー初陣にも「ミュージカルを知っている人がここでやる怖さに比べれば、知らない分、逆に落ち着いてやれた。本番前に演出変更もあったけれど大丈夫です」。SMAPの仲間がCM撮影のため16日にニューヨーク入りし、観劇予定で「早く来てという感じです」と心待ちにしている。日本公演は来年1~3月に東京・赤坂ACTシアターで行われる。

 [2009年11月14日8時15分

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