近藤真彦(45)が08年4月に死去した作詞家の川内康範氏(享年88)の未発表作品を歌うことが22日、発表された。48枚目シングル「ざんばら」で、2月22日に発売する。

 川内氏が「ざんばら」を書き上げたのは89年。親交があったジャニーズ事務所の藤島メリー副社長に、「ざんばら」を含めた数作品を手渡したという。川内氏は当時から「近藤真彦にぜひ『ざんばら』を歌わせてほしい」と指名していた。だが、近藤の母親が86年に死去。詞が大切な人を失った男の心情をつづった内容だったことから、藤島副社長が「今はまだ歌わせられない」と判断し、大切に保管していた。08年に近藤の母の二十三回忌が執り行われ、昨年12月から30周年イヤーに突入。公私ともに節目を迎えたことなどから、楽曲制作が決定した。

 近藤は川内氏との面識はない。「『月光仮面』を書いていた方という印象を持っています」。森進一との「おふくろさん騒動」については「ワイドショーでお見かけしたぐらい。特に意識していません」。長く保管されていた詞の存在も知らなかったという。

 昨年11月から2カ月以上かけて、異例の長期レコーディングを行った。「奥が深すぎて、歌い込まないと歌えない曲ですから」。川内氏の長男にあいさつし「こちらのことは気にせず、いい作品に仕上げてください。ヒットすればいいですね」と激励されたことを明かした。「康範先生はおとこ気があった方だと伺いました。若かりし僕を見て、こいつならおとこ気があって歌わせたい、と思ってくださったと思いたい。大切に歌うことで、天国にいる先生に届けばいいなと思っています」。

 シングルにはロック調の「心

 ざんばら」とフォーク調の「恋

 ざんばら」の2曲を収録。シングルで1つの詞に対し、2人の作曲家がそれぞれ曲をつけるのは史上初めて。「大人になった近藤真彦を見てもらえたら」。昭和の才人の力添えで、大人のマッチをアピールしていく。

 [2010年1月23日8時20分

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