来月に6代目円楽を襲名する三遊亭楽太郎(60)が、先代の名物CMを引き継ぐことが17日、分かった。師匠の5代目三遊亭円楽さん(享年76)が40年以上務めた日本香堂「毎日香」のCM出演が決まり、同日に都内でナレーション収録を行った。「心のふるさと大切に、お線香は毎日香」というおなじみのフレーズを吹き込んだ。

 同社によると、3月2日に都内で襲名披露宴を行うことが決まってから、楽太郎にCM出演をオファーしたという。楽太郎は大歓迎。この日も「師匠からいろいろ受け継いでいくけど、CMまで残してくれた。もうかるね。(円楽さんが)40年以上もお世話になってきたから、いつかオレのものだと思ってたよ」とご機嫌に冗談を連発した。

 5代目円楽さんは、このテレビCMが67年に始まった時から参加していた。当初は本人が出演する作品もあったが、晩年はナレーションに専念していた。昨年10月に亡くなるまで声の出演を続け、6代目に引き継がれることになった。「収録中にふざけて、師匠の声をまねしたりして、グ~ッとくるものがあるしね。生きている限り続けたい。会長さん、よろしく(笑い)。日本香堂といえば円楽と言ってもらえるように頑張りたい」と力を込めた。

 円楽を正式襲名するまで、あと10日余りとなった。「一門や落語界とか、これからはいろんなものを背負わないといけない。ちょっと重いね。第一に落語をやらないとね…。ちょっと疲れ気味なのよ」と本音を漏らした。自身がナレーションを務めた日本香堂の新CMは、28日からテレビとラジオで放送される予定。

 [2010年2月18日8時58分

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