作家五木寛之氏(77)と歌手五木ひろし(61)という“ダブル五木”の秘蔵っ子歌手の松原健之(30)が、北の大地でブレークしている。1月発売のアルバム「旅立つ季節に」に収録した「雪」が北海道STVラジオの7日付チャートで、嵐の「揺らせ、今を」を抜き、1位を獲得した。

 同チャートはリクエスト、道内のUSENランク、CD売り上げなどを基に決定。1月後半から「冬のおすすめ曲」として流れ始めると、リスナーから多くの反響が寄せられた。1月24日付で39位に初めてランクインすると、徐々に順位を上げていき、2月21日付で11位、同28日付で6位とアップしていき、ついにトップに躍り出た。

 シングル発売していない「CD発売実績ゼロ」の曲がトップに立つのは70年にランキングを始めて以来初めて。同局から火が付いた例として松山千春(54)が有名で、最近では、すぎもとまさと(60)の「吾亦紅」(07年)がある。同じようにアルバム収録曲だったが、チャート1位を獲得したのはシングルカットした後だった。

 「雪」は80年にフォークグループRAINが歌唱した曲のカバー。当時、音楽関係者の間では名曲との評判だったがヒットには至らなかった。今回、昭和から平成へと30年の時を経て、五木寛之氏が「奇跡のクリスタルボイス」と名付けたボーカルでよみがえった。

 「雪」はシングルカットされることになり、4月21日の発売が決定。デビュー5年目という節目のブレークに、松原は「ラジオやUSENリクエストによって今回のシングルになり、とてもうれしい。皆さまが起こしてくださった風に乗って全国にお届けしたい」と、確かな手ごたえを感じている。

 [2010年3月8日9時26分

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