芸能活動を休止していた沢尻エリカ(23)が16日、都内で行われた、たかの友梨ビューティクリニック新CM発表会見に出席した。公の場に姿を見せるのは「別に…」騒動となった映画の舞台あいさつ以来、約2年半ぶり。会見に先立ち、スペインに個人事務所を設立し、公式サイトの報道向けページに6カ条からなる同意書への署名を求めた。違反には法的手段を取るとして物議を醸したものの、この日の会見では復帰の喜びに目を潤ませるなど殊勝な様子。だが、会見の最後に6カ条の撤回はないと厳然とした態度で言い切った。

 沢尻は白のワンピースに白のジャケットのいでたちで会場入りすると、約10秒間ほど深々と頭を下げた。そして「正直、不安もいっぱいありますが、どうか温かく見守っていただけるとうれしく思います」とあいさつした。2年半前の「別に…」発言当時とは違った殊勝な態度だった。

 沢尻の登壇前には、スポンサーのたかの友梨代表が沢尻に代わり「(同意書の件は)おわびしなければいけないと思う。沢尻さんは、青天のへきれき、寝耳に水。知らなかったようだ」と、事務所の独断と強調。沢尻も会見の冒頭、スポンサーに「大きなご迷惑をかけてしまいました。そのことに対しとても残念に思っています」と反省しているような発言もしていた。

 だが、会見の最後に、報道陣から6カ条撤回について質問が及ぶと、従来と変わらぬ姿を漂わせた。

 沢尻のスペインの個人事務所はこの日、公式サイトを開設した。事前に報道各社に「プライバシーに関する情報やコメントを許可なく公開しません」など6カ条からなる同意書に署名した場合のみ、サイト内の発表を閲覧可能となるパスワードを交付する旨の文書を送付した。そのため、メディアからは反発の声が上がっていた。

 沢尻は会見の最後、報道陣から6カ条撤回の意思を問われると「そのようなことはございません」ときっぱりと言い切った。さらに、応じないとサイトは見られないのかとの質問にも「そういうことです」と毅然(きぜん)とした態度で語った。それまでの目を潤ませていた態度とは明らかに違った。

 もっとも、新CMの会見中は何度も深呼吸をし、こみ上げる感情を抑えては笑顔になり、情感を込め「やっぱり表現することが本当に好きなんだと、私にはそれしかないんだな」としみじみと語った。「人としてはまだ未熟」といった言葉までも飛び出し、情感を込めて語る姿は女優を感じさせた。

 CMのキャッチコピーは「沢尻エリカ、解禁。」だ。だが、報道陣に突きつけた6カ条は解禁とはならなかった。

 [2010年3月17日8時54分

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